第16話

CART観戦!

−Toyota Grand Prix of Long Beach 第3戦−

 

4/19(水)22:00記

今日の昼飯時の話。

The Soup Exchange という、7.10$で十数種類のサラダと数種類のパン・菓子パンとパスタと少量の肉類と数種類のスープ等々がセルフサービスで食い放題の店に行った。この店に来るのはこれで3回目である。私のように大量に喰らう人間にとっては、非常にコストパフォーマンスの高い店だ。食後のデザートに果物やソフトクリームなども食い放題の店である。

さて、今日も皿にてんこ盛りにサラダとパスタを盛り上げ、コーンチップス一掴みとディップソースを取り、別皿に手羽先を2本ばかり、更にカップケーキ状のパンを3つ取り、マグカップの口を1.5倍に引き延ばしたようなスープ皿にクラムチャウダーを並々と注ぐ。今日も大漁である。(^O^)

……… 7分経過 ………

ふぅ、喰った喰った。満腹。あと…ちょびっとデザートにソフトクリーム取ってくるかな。

ソフトクリームもセルフサービス。タンクの前に小さな紙のカップが置いてある。これにすりきり一杯ぐらいがちょうど良いな、とそのカップを近くにあった小皿に乗せ、注ぎ口に持っていく。

ん〜と。どやって出すんだこれわ。お。このノブを下げるんだな。えいっ(下げ)。

にゅろにゅろにゅろにゅろ…直径2cmぐらいの太さで、よく冷えたソフトクリームがゆっくり出てきた。ん、結構遅いな。しばらくノブは押し下げたままにしておこう。

皿を小さな円の動きで動かしながら、カップの中にソフトクリームを巻いていく。いい感じだ。そろそろいいかな。ノブから手を離した。

にゅろにゅろにゅろにゅろ…あり。切れが悪いな〜。………あれ?まだ切れないな〜。………おや?まだ勢いさえ弱まらんぞ?………あのーもう小カップの高さの3倍ぐらいの高さにまで巻き上げちゃってるんですけどー(←かなり焦っている)

おいおい。もうこれだめだよ。これ以上巻き上がったら倒れちゃうよ。ええい。取りあえず小皿に直接注いでしまえ。えええええ??どうなんってんだよ。なんで止まんないんだよっ!!! あ、もしかしてノブ、手動で上に上げなきゃ止まんないの?!(上げ)

止めどなく流れ出していたソフトクリームは、ゆっくりとその動きを止めた。しかし時すでに遅し。小皿は、直径15cm、標高15cm程の半球状のソフトクリームで覆い尽くされていた。(- -;;;

うわちゃー。やっちまったい。しょーがねぇ、と苦笑いしながらそれを持ってテーブルに戻る。

HUQ「うわー。やっちまいましたー(^^ゞ」

一同「うわー。それ凄いなー(爆笑)」

HUQ「いやー、だってあれ、押すの止めたら自動で止まると思ってたんですよぉ(^^;;;」

一同「なんぼタダでもその量は流石に店の人に怒られるだろー(笑)」

HUQ「うーん。仕方ないっすね。喰いましょう。(- -;」

一同「喰うんかい!!」

最初はピーチ味だと分かったんだが、直にそれどころではなくなった。ひたすら冷たい。なんせ十分昼飯喰った直後である。喰い進むほどに、残り少ない胃袋の隙間がゲル状のソフトクリームで埋め尽くされていく、この閉塞感。苦しい。なんだって俺は、アメリカまで来て、こんなにヘルシーな雰囲気のサラダバーで、冷や汗を流しながらてんこ盛りのソフトクリームを食うているのかな。(- -;;;; く、くるしひ…

スプーンを口に運ぶたびに、脳に供給されるべき血流が胃袋に奪われていくのを感じる。過度に冷却された胃壁を暖め、速やかに胃の内容物を消化してしまおうとする生体防衛反応であろう。だんだん思考がまとまらなくなってくる。「2リットルのアイスを食った後、コーラを飲むとしょっぱく感じるぞっ!!!」と熱く語っていたのは京都大学生物系と宇宙物理系の二人の若き研究者達だったっけ。

某氏「いやぁ、横で見てたけど全然普通に慌てる様子もなく注いではるし、うわぁ思いながらも最初からあの量を喰うつもりで注いではるんかと思た」

遠くでそんな声がする。んなわけあるかいっ!あれで十分焦っとったんぢゃ!

…食い終えた。げぶっ。喰ったぁっ。全部。しぬぅ。無性に喉が乾く。コーラならぬ水をがぶ飲み。膨らみきった胃袋が更に拡張する。ぱーんと叩いたらぽーんといい音をたてて弾けそうだ。

一同「うぁあ。喰いおった。(- -;」

こうやってまた一つ、我が大食伝説が刻まれてゆく。

 

4/16(日)。この日は "CART Toyota Grand Prix of Long Beach 第3戦" を見に、こちらの日本の方と一緒に4人で Longbeach へ行った。"CART" とは、平たく言えば Indycar Racing のレースである。母体団体がもめて2つに分裂し、日本を含めた世界各国で巡業開催やっている "CART" と、殆どアメリカだけで開催している "IRL" になったそうだ。見に行ったのは、日本でも茂木で開催される"CART" の方である。

朝7時に目を覚まし、CART関係の HomePage を巡回する。4/15(土)の予選結果が出ている。

1位:レイナード・ホンダ ジル・ド・フェラン
(67.494sec,Avr.104.969mph,Max.168.931mph)

2位:ローラ・トヨタ ジミー・バッサー
(67.703sec,Avr.104.645mph,Max.168.410mph)

3位:ローラ・トヨタ ファン・モントーヤ
(67.984sec,Avr.104.213mph,Max.167.715mph)

4位:レイナード・フォード エイドリアン・フェルナンデス
(68.007sec,Avr.104.178mph,Max.167.658mph)

となっているらしい。…すまん。みんな、名前知らん。(核爆) 知っている名前を探すと、

13位:ローラ・フォード クリスチャン・フィッティパルディ
(68.591sec,Avr.103.291mph,Max.166.231mph)

14位:マイケル・アンドレッティ
(68.604sec,Avr.103.271mph,Max.166.199mph)

以前 F1 走ってたマーク・ブランデルが

20位:レイナード・メルセデス マーク・ブランデル
(69.218sec,Avr.102.355mph,Max.164.724mph)

唯一参加の日本人が

23位:ローラ・フォード 黒澤琢弥
(69.940sec,Avr.101.298mph,Max.163.023mph)

計26台の出走(Tarso Marques(BRA)[Panasonic(TBA/SW/F)]-は予選タイム無しの26位スタート)となっている。

 

IndyCar といえば、オーバルコースをF1を越える高速でひたすらぶっ飛ばし、よく事故が起こる、という認識が一般的ではないかと思うのだが、ここ Longbeach は市街地コースである。一周 1.968mile。今期のグランプリ初の市街地コースであり、昨年までとは若干コースレイアウトが変わっているらしい。チケットは60$であった。(日曜のみの観戦。ホームストレート中央の緩やかなカーブの曲がり端に位置するスタンド指定席。大スクリーンの真正面。ピットの中まで入れるオプションは付けず。)

 

朝10:00頃 Longbeachに到着し、会場近くの駐車場に駐車。流石に今日の Longbeachは路上駐車可能な場所は全部埋まってしまっている。今日は駐車場も稼ぎ時だ。めっちゃ高い。あちこち見ていると15〜20$ぐらいが相場らしいので、15$の駐車場に入った。

駐車場から会場までは徒歩。5分ほども歩くと、いくつかある入り口の一つに行き当たった。ここでチケットを見せ、手の甲に「出入り自由」のハンコを押してもらう。こちらでは催し物のある所ではよくあることで、一度ハンコを押してもらったら、次からはチケットを見せなくても自由に会場に出入り出来る。

会場に入ると、歩道橋のようになっている通路の上は沢山の露天商で賑わっている。皆CARTグッズだ。CART Tシャツ、CARTの模型、チェッカーフラグのビキニ(爆)、等々…。

マクラーレンのCARTの実物が一台、屋外に展示してあった。近寄ってしげしげと眺めてみる。こういう、レース用の車両の実物を見たのは初めてである。F1マシンとどこが違うかと言えば、空気取り入れ口がドライバーの頭の上ではなく、ボディ全部の前輪近くにあることぐらいか。一般車両に比べると非常に車幅が広く感じられた。

 

プログラム(日程)のパンフは販売されているので買わねばならない。厚さ5mm程で、全ページカラーのカタログみたいになっている。中にはドライバーやチームの解説、コースの解説など。もちろん全部英語。(^^; 9$。日本だったらこれで2000円ぐらいぼったくるかな?(笑)

パンフによると、10:20から本日の前座のレース"Texaco Havoline Challenge Dayton Indy Lights Championship Series Race"があっているようだ。12:00から開会セレモニーで、Toyota Grand Prix of Long Beachの本戦は13:00からのようだ。残念ながら日本の某野球監督の息子が出場していたレース "Toyota Atlantic Championship Race" は、土曜日に終わっていたらしい。ま、いいや。レース見に来たのも初めてだし、前座レースも見てみよう。

Longbeachはその名の通り海沿いの土地で、高級リゾート地。岸壁には所狭しとクルーザーが係留されている。しかも、でかくて高そう。日本の小金持ちが持っているようなクルーザーを、デッキに4〜5台載っけている巨大クルーザーまであった。…これなら釣りや太平洋も渡れそう。何十億するんだろ。(- -; ここら辺の金持ち、フリーウェイなんつう汚ったない道路使わんと、クルーザーで会場に乗り付けてんだろな。

 

人混みをかき分けてチケットの指定席のある場所を探す。買ったパンフを頼りに、目指すスタンドを見つけだした。時刻は既に10:30を回っており、前座レースは始まってしまったらしい。スタンドと言ってもここは市街地コース。常設スタンドではない。普段は路肩の芝生になっている所に、建設現場で使っている足場のような細い鉄骨を大量に組み合わせ、雛壇を作ってある。壇の上には厚さ3〜5cm程の木の板が渡してあり、席はジュラルミンの鉄板だ。長時間座っていると、尻が痛くなってしまった。座布団を持参した方が望ましいようだ。

コース中を、もの凄い音をたてて車が走っている。TV中継でのエンジン音は、重低音部分がばっさりカットされてしまっていることに気がついた。PCのカーレースシミュレータでこれと同じ音を体感しようと思ったら、PCのLine出力から一旦ラジカセやアンプに繋ぎ、普通の音量にしたウーハーを足下に上向けて置き、歯を食いしばりながら最大音量にした密閉型ヘッドホンを装着すれば、実際に車に乗っているのと同じ感覚が味わえると思う。(当然ドライバーは耳栓をしているので、これをやるときには耳栓着用のこと。) コースから100mばかり離れていても、間に遮蔽物が無ければ、十数台の車が通過した後は耳がキーンと鳴って喉元がむずむずする。(耳から入った音が喉に抜け、喉の奥に振動が残るのだ。) 観客も、用意のいい人は耳栓を持ってきていた。

エンジン音は、Microsoft の "CART" の音に甲高い高音を付け加えた感じ。遅い車ほど高音の抜けが無く、中音・低音のノイズの種類が多いように感じられた。

指定で取れた席からは、ホームストレートを立ち上がってくる車はなんとか見える。(コースのど真ん中は中継のカメラが居るクレーンがじゃまになってよく見えないのだが…) 目の前が緩やかにカーブになっており、カーブを左手に抜けた所が最速スピードが出る所…の筈なんだが、スタンドの左手に立っている一本の木がモロにじゃまして、コース上の左手の視界は0。(- -; むぅん。市街地コースでもしも指定席位置を選べるなら、チケット上で3つ並ぶ数字(スタンド番号・席の段位置・席の左右方向の位置)のうち、真ん中の段位置の数字が出来るだけ大きい所を選んだが良い。コースからは離れるが、スタンドの後ろの高い方が視界の障害物が少ないからだ。音は前でも後ろでも耳が痛いぐらいに良く聞こえる。ドライバーの顔なんぞ、マシン速すぎて近くでも確認不能。(笑) オーバルコースなら対岸も見渡せるから前列でも良いかもしれないが。

市街地コースは両側をコンクリートのブロックと金網のフェンスで囲んであることもあり、3車線分もあるにも関わらず非常に狭く見える。ホームストレートで横に2台並ぶと、本当にもう道幅一杯一杯に見える。実際レースでもストレートで完全に抜き去ることは希で、ホームストレート入り口のヘアピンカーブでインを突いて追い抜くか、ホームストレートの終わりまで後ろまたは斜め後ろにつけ、出口で左右に車体を振って追い抜いていた。こんな所をMAX 168mph、即ち270km/h で走り回るんだから、Indyドライバー恐るべし。

前座レースは30周で終わり。ん〜。前座でも十分に迫力あるね〜。(^o^) 同行の方のうち2人がデジカメでホームストレートを走っている車を捕らえようとしていたが、ことごとく失敗。流し撮りがうまくいかなかったり、被写体が速すぎてオートフォーカスが迷いまくってしまったらしい。静止画なら昔ながらの銀塩写真、流し撮りに自信が無ければ 8mm Video や Digital Video の方が良さそうである。

車が速いと見る方も忙しい。目の前を通り過ぎる車やスクリーンの映像を見ていると、いつの間にか向かって右手、ホームストレート入り口のヘアピン立ち上がりで事故が起こっていたりする。かといってそこだけじーっと眺めていても何も起こらない。ドラマをリアルタイムに見ることは、首をぐるぐる回しながら流れ星を探すのに等しい。今回のレース(前座/本戦共)では、アクシデントや競り合いは、ホームストレートの入り口のヘアピンと、バックストレーとの終わりの90度右折の部分で多発していたように思う。ヘアピンでは無理にインを突いて接触というパターン、バックストレートの終わりではブレーキが利かず減速に失敗してそのまま直進してしまうというパターンが何度かスクリーンでリプレイされていた。残念ながら私のシートからはどちらも殆ど見ることが出来なかった。ヘアピンのアクシデントも、アクシデントが終わった後「あ、あっこ誰か止まってる」と認識出来たに過ぎない。ブレーキングでタイヤから白煙上げたりするのも、カーブに入る直前だ。

 

セレモニーが始まるまでの間、昼飯。屋台でチキンBBQ(バーベQをこちらではこう表記する)ハンバーガーとドイツソーセージホットドッグ、それに小袋のチップスBBQ味とレモネード1ポンド。しめて18.5$。高ぁ〜(-o-;「縁日価格」は日米共通である。味?…聞いちゃいけねぇ。(爆) どっちかっつうとホットドッグの方がうまかったかな。でも、一番マシだったのは市販の小袋チップスだったという話も。(^^;

味はともかく、取りあえず腹は落ち着いた。席に戻ってセレモニーが始まるのを待つ。セレモニーが始まるまでの間も、アナウンサー、というか司会が喋りまくり。こういうときに言うことはだいたい決まっているので、何となく理解できる。天気は快晴。日差しは強いが風も強く、シャツ一枚ではちょっと寒かった。

 

12:00セレモニー開始。まずはToyota の CM。 Celica GT-S シルバー仕様が十数台、連なってサーキットを駆け抜ける。

Celica が再びピットに戻ると、アナウンサーが「上を見ろ!("Up there!")」と言う。空には沢山のセスナ機が、色んな会社の広告旗を曳航しながら飛んでいる。会場上空を反時計回りに旋回している。なるほど。市街地だけに広告張る場所無いから、空飛ばすのね。

と思っていたら一機だけ、旗をもたないセスナ機がいた。はて?みんなそれを指さしている。じーっと見ていると、高く高く舞い上がったそのセスナから黒い点が5つ6つ程飛び出した。スカイダイビングだ!観客総立ち。あちらでもこちらでも口笛が鳴っている。じきにパラシュートが開き、ゆっくりと大きく旋回しながら下りてきた。足下から青と赤のスモークを出しながら、螺旋を描いて下りてくる。ジャンパーの見せ所だ。大歓声。

と、そのとき、アナウンサーがまた何事か叫び、観客の目が一斉に東に向いた。何だ??ぉ…おおおおおおおおおおおお!!矢形編隊の F/A-18 が4機、音もなく彼方から近づいてきた。あっというまに4機は会場に近づき、ちょうど上空で3番機・4番機が編隊の外側へ散開。おお、燃料タンクが付いとる。大歓声。高度は数百mぐらいだろうか。そのままアッという間に西の空彼方へ飛び去った。直後にジェットエンジンの轟音が会場を襲う。うおおおお。腹に響くぅ〜〜。名古屋の三菱重工へ会社見学に行ったときに聞いた F-15J のエンジン音に比べ、キーンという高音が少なく、100Hz〜400Hz内外の中低音が強い感じだった。それにしても速い。

次はドライバー紹介。ドライバーが一人一台ずつトラックの荷台に立ち乗りし、観客に笑顔を振りまきながらゆっくりコースを一周する。流石にスタンドからでは小さくて、残念ながら顔はよく見ない。グリッド順である。終わりから4番目は日本人黒澤琢弥。なんとなく顔つきが日本人っぽい、とわかるぐらいであった。(笑)

最後に、神父さんだか牧師さんだかがレース中の無事を祈る詔を読み上げた。これが終わると早速ドライバーは乗車。ピットで乗車し、ペースカーに従ってコースに出る。

 

CARTのスタートは、F1のようにスタートグリッドからグリーンシグナルで一斉にスタート、という形ではない。ペースカーに従ってコースを周回し、「各車レースの準備が出来た」と判断されるとペースカーがピットに引っ込み、一斉にスタートすることになっている。

この日は3〜4周後にペースカーが引っ込んだ。と同時に、Start Line すこし手前から各車一斉に戦闘態勢に入る。ペースカーが入っているときとは明らかに異なるエンジン音だ。甲高い高音から中低音まで、音域の広いエンジン音が鬨の声を上げる。各車全速で加速。首位グループのオーダーは変わらず。アットいう間に全車、目の前を駆け抜けて左手の茂みの中へ消えていった。流石最速集団。前座レースではこの段階から衝突しているマシンがあったが、今回はそんなへまをやらかすドライバーは居ないらしい。

前座レースとはエンジン音も随分異なっていた。レギュレーションが違うから当然と言えば当然だが、前座レースではトップ集団の3〜4車だけが高音の良く伸びるエンジン音であったのだが、遅い集団のエンジン音は高音が鈍く、非常に鈍くさい音であったのだ。しかし、本戦ではどの車のエンジンも高音がしっかり通った、威勢のいい音であった。(逆にエンジンメーカーによる音の違いは…私にはあまり感じられなかった。多少中音の周波数域が多そうなエンジンもあったが…しかし、そんなに大きな違とは感じられなかった。) 後はギアチェンジの音。これも減速時に威勢良く、「っぱんっぱんっぱんかぁ〜ぁぁあああんっ」と視界左側から聞こえてくる。しかし残念ながら例の木の茂みにじゃまされて、車体後部から火花を散らしているところを見ることは出来ない。ええぃ、あんな木切り倒しちまえっ。(- -#

それにしてもTV中継で聞く音とは音量・音域共に段違いである。(ついでに言うと、TVは色彩も全然違う。LongBeach のコースには、ホームストレートの観客スタンド正面(コースの内側)に円筒形の建物がある。この建物の壁には海で泳ぐクジラの絵が描いてあるのだが、現物は日に焼けて青だけが残ったような色彩感の無い絵である。しかし…スクリーンに映るこのクジラの絵は、鮮やかな色彩をたたえているのだ!(笑))

最後の車が視界から消えて30秒も経たないうちに、もう先頭の車がヘアピンを抜けてホームストレートに帰ってきた。速い! 前座レースにも増して、スクリーンと現物、どちらを見ればいいか分からない。(笑) レースというものは何度か繰り返し見に来て、見るコツを掴む必要があるようだ。(^^;

最初の1〜2周は観客総立ち。私も立ったまま、周回してトップのジル・ド・フェランが帰ってくるのを迎えていた。3〜4周目からは殆どの人が着席し、視界に車が入ってきた時だけ立ち上がる。5周もすると目の前に車が来ても、殆ど誰も立ち上がらなくなった。んがしかし。私の右斜め前に居る紫色のサングラスをしたおっさんが、ホームストレートに車が現れる度に立ち上がってビデオ撮影をしている。おかげで私は肝心のストレート立ち上がり部分〜追い抜きや衝突が多発するところ〜が全く見えない。(- -; そうこうしているうちに、ホームストレートエンド側(木陰で見えない視界左側)で、誰かが減速しきれずに車を壊してしまったようだ。ぬぅ。全く見れんかったぞ。(- -;;; 仕方ないので「これではTVみてるのと一緒ではないか」と思いながらもスクリーンを見る。ドライバーが口惜しそうに車を降り、とぼとぼ歩いている。ピットまで戻ってくると、スタンドから静かな拍手が。ドライバー手を挙げてそれに答える。(すまんっ!チーム名・ドライバー名まで把握出来ず!(爆))

イエローフラッグが振られてレースは一時中断。再びペースカーが首位のジル・ド・フェランの前に入り、事故処理が終わるまで各車追い抜き禁止となる。各車ペースカーについて走っている周回も、規定の周回数に数えられている。つまり、事故が多発するレースでは、レースのうち殆どがペースカー入りで追い抜き無しの走行となってしまうこともあるのだ。しかし反面、どんなにトップと最後の差が開いていても、ペースカーが入る度にその差は殆ど無くなり、レースの最後まで猛烈な接戦が繰り広げられることになるのだ。この辺が観戦している側から見たときの、CART と F1の一番大きな差であろうか。ドライバーにとっちゃ、「こつこつ努力するだけ無駄」とも言える。(笑)

このイエローフラッグが出てから、ピットインする車が続出。ちっと早いのでは?とも思ったのだが、序盤みんながゆるゆると走っているうちは早めにタイヤの交換をしておくものらしい。数台が目の前のピットに戻ってきた。

ピットはみんな殺気立っている。ピット作業を終えて走り出した一台の車が、前のピットから出てきた車の後輪に乗り上げててしまった。ピットに緊張が走る。しかし幸いどちらも破損は無く、後ろから追突した車はハンドルを切って直撃回避。双方なにやら怒気を帯びつつ、コースに戻っていった。互いのピットクルーが異様に静かなのがかえって怖い。(爆) スクリーンでは今の模様がリプレイされている。

ちなみに、このイエローフラッグ中に順位を確認すると、フィッティパルディとアンドレッティは10番前後、黒澤は後ろから2〜3番目であった。(^^; 各車ゆっくり走っている間に、車の色・ナンバーとドライバーの名前の関連を出来るだけ覚えようと努力した。取りあえず…紫が黒澤、と。(^^ゞ

レース再開。再び各車全開で戦闘開始。しばらくこの繰り返しが続いていた。多分、後続の順位はコロコロ入れ替わってたと思うんだけど…ドライバーの名前分かんない上に、誰がどの車に乗ってるんだか分からないもんだから、もう、何が何だかよくわかんにゃい。(爆)

 

もつれつつもつれつつ、時折事故起こってペースカー入りつつ、レースは続く。

ところで私の左隣のおやじ。さっきからずっとずっとずぅーーっと貧乏揺すりがうっさいよ。床板が小刻みに一定間隔で揺れるもんだから、俺なんだか酔ってきたんすけど。(- -# ううむ。ああああああああっ。止めぃっちゅうのっ!

耐えられなくなって、席を立ってスタンドの最上部に移動した。通路の階段上で立ち見する。おお。こっちんが見晴らし良いね。この高さならスタンド左手の木の茂みで見えなかった、ホームストレートエンド部分もばっちり見える。ちょっと風が強くて寒いけど。(^^;; うーん、何かもう一枚上に着てくればよかったな。同じところで、おっさん達がビール呑みながら観戦している。おおぅ。出来上がっとるねぇ。(笑)

しばらくスクリーンを見ていたら、突然観客が総立ち。何?何?なにがあったの???おおおおおおおお!!誰かピットで燃えてる!

どうも給油中に燃料に引火したらしい。マシンの後ろ半分が炎に包まれている。ドライバーはすでに脱出した模様。クルーが消化器を吹き付け、懸命に消火活動を行っている。なかなか火が消えない。一旦鎮火したかに見えたが、消化の手を弱めた瞬間再び燃え上がった。あまり黒煙は見られない。燃料がメタノールだからだろう。エンジンオイルにも引火していたようだ。スクリーンには引火の瞬間の映像が映されている。燃料を入れていたクルーが飛び上がり、エンジン付近から炎が上がるとドライバーが身をよじりながら自力で脱出。ピットにへたり込んだ。両側から支えられ、ピット奥に連れられていった。ぉ? フィッティパルディと画面に出ている。あら〜マシン炎上でレース終わっちゃった〜(T^T)/~~

 

ふえ〜。すごいもん見たね〜。と思っていたら、赤ら顔のおっさんが私に話しかけている。ん?酔っぱらい?と思ったらさにあらず。係員であった。(爆) 白人日に焼けると真っ赤になるから、酔うてるのやら焼けてるのやら区別つかへん。(^^;;; どうも、席に戻れと言っているらしい。けちぃ。ここんが良いよぉ。と思いながらも、"OKey" と爽やかに答えておとなしく席に戻った。だーって抵抗するほど喋れないんだもん。(爆) どうも私も後ろで呑んでるおっさんと一緒に呑んでいると勘違いされた節がある。(- -;

席に戻ると再び貧乏揺すり攻撃。(- -# んぉ。やめてくれ〜と思いながらも、結局この地震はレースが終わるまで止むことは無かった。

 

さてレース終盤。あと20周余残った頃。また誰かが事故ったようだ。イエローフラッグが振られている。ペースカーに連れられて走る車の一群。ここでも多くの車がピットに戻ったようだ。また順位がフルーツバスケット状態。…あり?先頭になんだか紫色の車が走ってるんですけど。それにアナウンサーと観客が異様にうるさいんですけど。(^^; もしや…

"HA HA HA! KUROSAWA! He's rookie of the Japanese うんたらかんたら〜" アナウンサーが大笑いしながら言うている。おおおお?黒澤現在首位!!!すげえ。(笑) "Oh! He is a lucky boy!" 確かに運だこりゃ。(笑) というても、ここに来るまでだいぶ順位上げてたのね。いくら運良くても前走ってる車が全部ピットインするにはそこそこ順位上げとく必要があるもの。いやぁ、頑張ったねー。(^^) アナウンサーも言う。"He did a good job! HAHAHA!!" いや、そないにまで笑わいでも。(爆) でもスクリーンに映ってる時間は、2位のトレイシーを映している時間の方が長かった。(^o^;;

その後何周かイエローフラッグ下の周回が続いた後、グリーンフラッグ! さて黒澤、どこまで首位を保てるか?? 1周保つかなー(^^;;; と思っていたら意外や意外。燃料少なくて軽いのと、他のピットインした車のタイヤがまだ暖まりきっていなかったためか、2位を大きく引き離して戻ってきた。おおお!いけええ!!やれええええ!!! 2周目終わって3周目。まだ首位。うおおおおおお! 思わず立ち上がって拳を突き上げる。しかし、確実に後ろからトレイシーが詰めてきた。ぬおお。あんだかマシンの速さが違うぞ。(笑) アットいう間に間を詰められ、グリーンフラッグが振られてから4周目、遂に黒澤は一位の座を明け渡してしまった。

一旦抜かれると後続のトップグループが次々と黒澤に襲いかかる。アットいう間に2台、3台と抜かれ、ものの2〜3周で8位ぐらいにまで落ちてしまった。スクリーンは再び落ちていく黒澤を大映しである。本人はあまり嬉しくないだろうが、レース後半一番長く映っていたのはこの黒澤だ。

しかしこの時点で生き残っている車は14台。10位以内ならポイントを Get 出来る。しかし…ホームストレートエンドで再び悪夢が。誰かに抜かされた黒澤、そのもう一台後ろからついでに抜かそうとしてくる車をブロックする形となり、2台でスピン。アッという間に更に3〜4台に抜かれてしまった。接触したか?とも思ったが、なんとかコースに復帰した模様。その後も懸命に追いすがるが、10位以内の車は風に乗ったように駆けていく。ピットインせず首位に躍り出た黒澤のタイヤは、もう随分グリップが悪くなってきているようだ。なんとかこのまま順位を落とさずに行こうという作戦だったのだろうが、やはりタイヤの具合が良いベテランドライバーに、タイヤずるずるのルーキーが追いすがるのは不可能に近い。しばらく周回するうちにポイント圏内から随分距離が出来てしまった。

もうすぐレース終わり、こうなったらなんとか最後まで保て!!と祈っていたが、最後の最後でホームストレート入り口のヘアピンでスピンした前の車に邪魔され、道路脇に並べてあるコンクリートの白い壁に激突。スクリーンにその様子がリアルタイムで映される。あぁ〜〜後輪変な方向に曲がってる。(T^T) 黒澤、あと6周を残して無念のリタイヤ。スクリーンにマシンから降りる黒澤が映っている。怒っている。激しく怒っている。相当口惜しかったに違いない。さもあろ。(-人-)

残り12台。グリーンフラッグが振られ、トップ集団がラストスパートを始めた。もう事故は起きないと見込んでのスパートであろう。首位を走るトレイシーは猛烈な勢いで2位以下を引き離していく。ドーピングでもしてんじゃねーか?と思うぐらいの勢いである。(爆) 2位を走るネベスと3位を走るバッサーの競り合いも激しい。コーナーの度に Tail to Nose。昔F1モナコで故セナとマンセルが演じた、レース終盤の猛烈な競り合いを彷彿とさせるような戦いだ。

結局、1〜3位まで、順位そのままでゴール。2位のネベスは3位のバッサーを抑えきった。

[CART Toyota Grand Prix of Long Beach 第3戦結果]

優勝:Paul Tracy(CAN) [KOOL(Honda/RI/F)]

二位:Helio Castro-Neves(BRA) [Marlboro Team Penske Honda RI F(Honda/RI/F)]

三位:Jimmy Vasser(USA) [Target/Toyota (Toyota/LT/F)]

全82周。

出走26台中、フィッティパルディは先に述べた通り、給油中にマシン炎上してリタイア。アンドレッティはレース終盤でいつの間にか(爆)クラッシュ。黒澤もリタイア。アメリカ人にとっちゃ、実にいい脇役ぶりであったことだろう。残念。ブランデルは8位でフィニッシュ。CART でも相変わらず手堅い走りするのねこの人。(笑)

 

以上でレースおしまい。本戦のあと、もう一レースあったみたいだけど、それは見ずに帰ることになった。めちゃくちゃ日に焼けてしまった。顔が痛い。…ええっと。サングラスしてたね〜ずっと。(^^; 外して鏡を見てみると…うああ。逆パンダ。(爆) しかも目の周りクマ出てるし。黒→白→赤という、目出度いんだか目出度くないんだかよく分からないだんだら模様に。その後赤みが引いて、黒→白→黒で固着している。おいおい。(^^;;

 

帰宅後、こちらに来て以来、DISCOVERY CHANNEL の予告でず〜〜っとやっていた "DINOSAURS" を見る。凄い。恐竜さんが野生の王国状態。実にリアルに、模型とCGを駆使した恐竜が動き回る。ブロントザウルスが走れば長い首の肉が揺れ、飛ぶ翼竜を映す視点はまるでフライトシムのダイナミック外部ビューのよう。恐竜達の生活が、若干振りにディズニー入ってる気配もあるものの、実に自然に、カメラで実物を映したかのように動き回る。これは凄い。恐竜の色や動き、姿勢、生活などは最新の研究の成果を反映しているらしい。

日本で CATV の DISCOVERY CHANNEL を見れる方、しばらく後にはこの番組、日本でも放映されるに違いない。是非見ることをお勧めする。なんだか恐竜が今もどこかの大陸で生きているような錯覚に陥ることだろう。映画かもされるようで、評判が良ければそのうち日本でも上映されるかもしれない。

と書いていたら、こちらでは明後日も同じく DISCOVERY CHANNEL で再放送するようだ。また見よっと♪(^o^)


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